1973年長野県飯田市生れ。

父は建具職人ではあったが、組子細工を取り入れた建具は製作していなかった。小学校4年生の時、父に連れられて行った全国建具展示会で目にした組子細工に衝撃を受け、その帰路で組子職人への道を決意する。
『自分も必ず全国建具展で内閣総理大臣賞を取れるような組子を作ってやる!』
それからは父の仕事を手伝いながら組子の研究を続けた。
写真を真似、独自の工夫を凝らし、難易度の高い図案への挑戦を続け、中学卒業後、職人の世界へ入門するが、就職先の倒産など苦難の道を歩む。
しかし、困難の中でも技能取得の切磋琢磨は続け、応援する多くの人に支えられ、平成13年、全国建具展示会において内閣総理大臣賞を受賞。当時27歳。最年少記録という栄誉を携えての夢の実現だった。
塩澤正信が生み出す作品の特徴は、伝承技術を忠実に守りながらも、通常では見られない曲線を多用した『創作組子』を取り入れ、木本来の色と精緻な組子で描き出される『木画』の芸術性である。
そして今、新たな素材との組み合わせや、表現手法を研究し、従来の組子作品の領域を超えたアートインテリアの世界に挑戦している。